Skip to main content

漫画版『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』を読んだ感想

『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』は原作が小説で、94年の映画が有名です。
実は漫画版が存在します。グラフィックノベル版のことではありません。そちらはまだ読んだことがないです。日本で描かれた漫画の話です。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア (ソノラマコミック文庫)

昔から存在することを知っていたのですが、書店でも古書店でも見かけたことがなく、
自分はこれまでずっと読む機会がありませんでした。

それが、先日突然入手の機会が訪れたのです。
Twitterでわーわーインタビュー・ウィズ・ヴァンパイアの原作について呟いていたら、
とある方から譲っていただいたという経緯でした。
よく好きなものを主張しておくといいよって話は聞きますが、まさかこういう形で功を奏すこともあるのですね。
とにかく、譲っていただきどうもありがとうございました。


こちらがその漫画(文庫版)です。
元々『夜明けのヴァンパイア』のタイトルで徳間書店から単行本が出ていましたが、朝日ソノラマから文庫版が出た際に『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』に改題しています。
作者は篠原烏童さんです。「Nemuki+」誌で現在も作品を描かれている漫画家さんですね。

内容は原作の『夜明けのヴァンパイア』を限られたページ数の中でかなり丁寧に漫画化されています。
映画もドラマも『ヴァンパイア・レスタト』以降を意識して映像化している部分があるので、
『夜明け~』のみに内容を絞って作品化しているものは、かえって珍しいのではないでしょうか。

原作のレスタトが父を恨んでいるけど殺せない、みたいな部分ってレスタトの人物像をよく表している描写だと思うのですが、
映画にもドラマにも入ってないので、そういう部分がしっかり描かれているので良いですね。
(映画は尺がないのと、ドラマは100年ほど時代がずれており父が生きていても寿命でなくなってると、それぞれ理由があるのは一応分かってはいます…)

あとクローディアがかわいいです。
アルマンも映画より原作に近い外見だと思います。
名前出てこないけどサンチャゴ(サンティアゴ)も彼だなと思える。

またキャラクターの描写だけでなく、服や建物などの描写もしっかりした考証が入っている、と感じられました。
ニューオーリンズの古い建物のあの感じはもちろんですが、驚いたのはインタビューをしている場面で出てくる家です。

この家は小説ではサンフランシスコのディヴィサデロ通りにあると書かれているのですが、
原作者アン・ライスがインスピレーションの元にした家が実際にその場所にあるのです。
その建物にそっくりです。
私はつい最近YouTubeで知りました。
https://youtu.be/QoSb8H3znfI?si=bqafrcOu8DObf6SD

ただGoogleストリートビューを見ると、サンフランシスコのこの辺りの建物が、そもそもこういう様式が多いようで、
そのものではなくて偶然似たのかもしれませんが…

どちらにせよ、大事なのはこの作品が描かれたのが1994年以前ということです。
インターネットはまだあまり普及していませんし、そもそも通信速度などの関係で、
画像の情報が今よりずっと少なかったのです。
それ以前のパソコン通信の時代は自分は未経験ですが、文字の情報のやり取りが基本だったと思われます。

そういう時代におそらく図書館や書店などから資料を集めて、外国の風景を描いていたと思うと、その大変さに頭が下がるばかりです。

とにかく、ようやく読むことができてとても良かったです。
最初の『夜明けのヴァンパイア』の雰囲気が好き、という方には特におすすめであると思います。